The AMOR Arabinogalactan Sugar Chain Induces Pollen-Tube Competency to Respond to Ovular Guidance

掲載論文
Akane G. Mizukami, Rie Inatsugi, Jiao Jiao, Toshihisa Kotake, Keiko Kuwata, Kento Ootani, Satohiro Okuda, Subramanian Sankaranarayanan, Yoshikatsu Sato, Daisuke Maruyama, Hiroaki Iwai, Estelle Gare ́ naux, Chihiro Sato, Ken Kitajima, Yoichi Tsumuraya, Hitoshi Mori, Junichiro Yamaguchi, Kenichiro Itami, Narie Sasaki, and Tetsuya Higashiyama, Current Biology, 2016, 26, 1091. DOI: 10.1016/j.cub.2016.02.040
  • 植物の受精効率を高める糖鎖「アモール」を発見 ~化学合成に成功~

    科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業において、ERATO東山ライブホロニクスプロジェクトの東山 哲也 研究総括(名古屋大学WPI ランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)と水上(郡司)茜補佐員(現・愛知学院大学助教)らの研究グループは、植物の受精率を高める糖鎖注1)「アモール」を発見しました。

    花のオスである花粉が雌しべの先端に受粉すると、花粉は花粉管を伸ばし、受精が起こります。雌しべは花にとっての受精の場であるといえます。これまで様々な植物での研究の知見から、雌しべには花粉管を受精可能な状態に活性化する物質が存在することが示唆されてきました。いわば、植物のオスをその気にさせる媚薬のような物質です。しかし、その実体はこれまで明らかではありませんでした。研究グループは、トレニアという植物を用いて、初めてその物質の同定に成功しました。この物質は植物に特有なアラビノガラクタン注2)と呼ばれる糖鎖を持ち、さらに、この糖鎖の末端に存在する2糖だけでも活性を持つことを明らかにしました。アラビノガラクタン糖鎖を持つ物質は、研究グループによりアモール(AMOR)と名付けられました。アモールとは、ギリシャ語で愛やキューピッドという意味を持つ言葉です。また、アラビノガラクタンの末端糖鎖であるメチルグルクロン酸とガラクトースの2糖構造を化学合成したところ、花粉管が誘引物質に反応できるようになり、受精が達成されることが示唆されました。植物の糖鎖に特異的な2糖構造が植物細胞間の情報伝達活性を担うことが示されたのは初めてのことです。アモールの発見は、植物の受精効率を高めるための研究を大きく進展させるだけでなく、化学合成の手法により植物の糖鎖研究に新たな展開をもたらします。

    本研究成果は2016年4月8日に米国学術誌「カレントバイオロジー」のオンライン速報版で公開されました。

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