Facile Synthesis of Polycyclic Pentalenes with Enhanced Hückel Antiaromaticity

掲載論文
H. Oshima, A. Fukazawa, and S. Yamaguchi, Angew. Chem. Int. Ed., Early View. DOI: 10.1002/anie.201611344
  • ペンタレンは,外周に 8π 電子をもつ代表的な反芳香族分子であり,その高い反芳香族性に起因して極めて反応性に富む化学種である.従来,ペンタレンを安定な物質として扱うためにはベンゼン環を縮環させるというアプローチが広く用いられており,ベンゼン縮環ペンタレン (ジベンゾ[a,e]ペンタレン) は有機半導体の基本骨格としても広く注目を集めている.ところが,高い芳香族性をもつベンゼン環を縮環させることで,ペンタレンが本来備えている反芳香族性が損なわれてしまう.これに対して本研究では,テトラキスデヒドロ[16]アヌレンの生成を鍵とする連続的渡環環化を駆使することで,ジベンゾ[a,e]ペンタレンの外周部にさらに4つの芳香環が縮環した多環縮環ペンタレンの合成に成功した.得られた多環縮環ペンタレンは十分に高い熱的安定性をもち,多環縮環構造が反芳香族分子の安定化に有効であることが明らかとなった.また,X線結晶構造解析および理論計算の結果,一連の多環縮環ペンタレンはジベンゾ[a,e]ペンタレンをはるかに上回る強力な反芳香族性をもつことを明らかにした.この強力な反芳香族性と高度にπ共役が拡張した構造を反映し,多環縮環ペンタレンは近赤外領域に及ぶ長波長領域での光吸収特性や,低い還元電位といった特徴的な物性をもつことがわかった.これらの結果は,フェナントレン型の多環縮環構造の導入により,ペンタレン本来の強力な反芳香族性を維持したまま十分に高い安定性を付与するができることを示しており,「安定な反芳香族分子」の分子設計に対して重要な指針を与えるものであるといえる.

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