A Near Infrared Dye that Undergoes Multiple Interconversions through Acid-Base Equilibria and Reversible Redox Processes

掲載論文
K. Asai, A. Fukazawa, and S. Yamaguchi, Angew. Chem. Int. Ed., 2017, Early View. DOI: 10.1002/anie.201702140
  • 近赤外領域で光吸収や発光を効率よく起こす有機色素は,蛍光プローブや発光ダイオードにおける発光材料や,太陽電池,光熱変換材料,光音響プローブといった幅広い可能性から近年注目を集めている.しかし,小さな有機分子をもちいて近赤外吸収や蛍光を実現するのはさほど容易ではない.これに対して我々は,近赤外色素の分子設計のなかで最も有力なアプローチのひとつであるポリメチン色素に着目し,チオフェン縮環型シクロヘプタトリエン (あるいは シクロヘプタ[1,2-b;4,3-b’]ジチオフェン) に2つのフェノール部位をもつキノイド型 π 共役化合物 1 を新たに設計した.この化合物 1 はフェノール部位の酸塩基平衡に起因して,プロトン化をうけたカチオン 1H+ と脱プロトン化されたアニオン 1– を含む三状態間を可逆に行き来することができ,pH 変化に伴って劇的な光物性変化を引き起こす.酸性条件では強い赤色蛍光を発し,塩基性条件では近赤外領域に強い吸収をもつという pH 応答性をもつ.さらに,同じ化合物 1 を酸化することで安定な中性ラジカル 1• へと変換することができ,このラジカル種が1600 nm という極めて長波長領域に吸収をもつことを明らかにしたや,可逆な酸化還元特性をもつこと,それに伴い近赤外領域での特徴的なエレクトロクロミズムを示すことも明らかにした.すなわち,1 は pH 変化や酸化還元により5つの状態間を相互変換することができる特徴的なπ共役系であり,新たなタイプの刺激応答性近赤外色素としての展開が期待できる.

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