Photochemical Intramolecular C–H Addition of Dimesityl(hetero)arylboranes by a [1,6]-Sigmatropic Rearrangement

掲載論文
N. Ando, A. Fukazawa, T. Kushida, Y. Shiota, S. Itoyama, K. Yoshizawa, Y. Matsui, Y. Kuramoto, H. Ikeda, and S. Yamaguchi, Angew. Chem. Int. Ed., Early View. DOI: 10.1002/anie.201706929
  • 元素周期表で13族に位置するホウ素は価電子数が3であり,三配位ホウ素はカルボカチオンと等電子構造をもつ.これは,有機ホウ素化合物の反応性や物性を理解する上で最も重要な点であり,高いルイス酸性を生かした反応剤の創製,優れた電子受容性に基づく物性や機能の開拓など,様々な角度から有機ホウ素化合物ならではの特徴に着目した研究が活発に展開されている.なかでも,有機ホウ素化合物の光反応性は,古くから研究されてきたものの,その反応様式はほとんどが四配位ホウ素の形成を鍵とするものであり,三配位ホウ素とカルボカチオンの等電子性により説明できるような反応様式は知られていなかった.このような背景のもと,我々は最近,9位にジメシチルボリル基をもつジベンゾボレピンがNazarov 環化に類似した光反応により異性化することを偶然見出し,ホウ素の空軌道が関与した電子環状反応が進行することを明らかにした (Angew. Chem. Int. Ed., 2013).今回,この反応の一般性を検証するため,ジメシチルボリル基が置換したアレーン誘導体の光反応性を検討した結果,bora-Nazarov環化反応とは異なる反応様式での反応が進行することを新たに見出した.

     ジメシチルボリル基が置換したチオフェン誘導体に対し,紫外光を照射するとスピロ骨格をもつボラインダン誘導体が得られた.得られた生成物は,メシチル基上のメチル基のC–H結合が,チオフェン環の二重結合に対して形式的にsyn付加した構造をとっていた.理論計算および過渡吸収スペクトル測定により反応機構を検討した結果,本反応は三配位ホウ素を含むπ共役系での[1,6]–シグマトロピー転位とつづく炭素–炭素結合反応の二段階で進行することが明らかとなった.この際,三配位ホウ素の空のp軌道を介したπ共役の拡張が,[1,6]–シグマトロピー転位において重要な役割を果たしていることが示唆された.以上は,有機化学の重要な反応様式の1つであるペリ環状反応において,三配位ホウ素がカルボカチオンの等価体となりうることを示す結果であり,有機ホウ素化合物の反応性およびその理解という点で重要な知見を与えるものである.また,生成物であるボラインダン誘導体は,小さなπ共役系であるにもかかわらず比較的長波長側に特徴的な吸収を示すことを見出した.

Bookmark this on Hatena Bookmark
Hatena Bookmark - Photochemical Intramolecular C–H Addition of Dimesityl(hetero)arylboranes by a [1,6]-Sigmatropic Rearrangement
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
[`tweetmeme` not found]
[`grow` not found]