主任メッセージ


21世紀は、環境、ナノテク、バイオ、情報の時代だと言われています。現代の人類にとって、物質を本質的に理解し、新しい物質を作り出していくことが、その発展において重要な役割を担います。物質の構造、性質、反応の本質を探求し、普遍的な原理を見いだし、新しい物質を創製する「化学」は、人類の知と、豊かな未来を築く自然科学として、益々その重要性を増しています。


 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻(化学系)の研究室は、有機化学、生物化学、無機化学、物理化学といった、伝統的な化学の学問体系を基礎としながら、物理学、生物学、地球科学、材料科学などの理学各分野と連携し、そして工学、農学、薬学、医学などの応用分野との交流を通じて新しい分野を切り開くことで、世界に冠たる研究成果を生み出してきました。皆さんよくご存じのように、今世紀最初のノーベル化学賞が反応有機化学の分野を長くリードされてきた野依良治特別教授に授与されました。また、現代生命科学研究に革命をもたらした蛍光タンパク質GFPの発見により、本化学教室で学位を取られた下村脩先生に、2008年のノーベル化学賞が授与されました。これらが物語るように、新物質の創製や新現象の発見は、我々の知的好奇心を満たし、深い感動を与え、その知は広く科学・技術の発展にインパクトを与えます。
 名古屋大学理学部化学科・大学院理学研究科物質理学専攻(化学系)すべての研究室は、それぞれの分野で世界の第一線で研究を展開しています。志を高くもつ学生諸氏が、知的好奇心をもって次世代を切り開く最先端の化学にチャレンジする土壌が整っています。教育面においては、総合的な基礎学力の養成だけでなく、チャレンジ精神にあふれ、国際的に活躍できる次世代を担う人材育成に力を入れています。2018年からは、卓越大学院プログラム「トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム(プログラムコーディネーター:山口茂弘)」に採択され、分野の垣根を超え、大学院学生の主体的な融合研究、異分野環境での研究経験、ダブルメンター制度によるきめ細かな指導により、真の研究突破力を獲得する実践的な教育の場を提供しています。また、博士課程(前期・後期)の学生をRA(リサーチアシスタント)として雇用し、経済的なサポートも行っています。

 理学部化学科は、ノーベル賞という大輪の花をより瑞々しく活かし、さらに新しい花を咲かせようという志を持つ人材に広く門戸を開いています。

2019年4月 化学科主任 唯 美津木



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